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SEAMAJ第三十五回研究会開催録(転載無用)

SEAMAJ第三十五回研究会開催録

日時 2023年4月15日(土)午後2時30分より午後5時まで (ベルギー時間午前6時30分、上海時間午後1時30分) 開場 午後2時。

講師 ;  太田透嗣夫様  一般社団法人次世代半導体日本製造協会 東アジア本部長

講演タイトル ; 「私の履歴 半導体及びディスプレイ産業」

概要 ;

1969年からNECにおいて、半導体の仕事に携わる。日米半導体摩擦下において通産省の海外展開指示により、NEC初の海外工場であるアイルランド工場を立ち上げる。その後、NECイギリス工場を立ち上げる。また、通産省からの要請により中国工場展開を図る。そして、半導体に留まらず、液晶工場展開においても力を発揮する。また、日本においては、半導体事業部長、NEC液晶取締役として貢献する。

かかる長年に渡る類い希な海外経験を元に、今の日本の半導体産業における国の役割及び経産省、企業経営者について論評を行う。

略歴 ;

日本電気株式会社(NEC)39年 (そのうち中国20年)。半導体事業部33年,液晶事業部6年 + 16年(平田、华虹、华力、和輝)。

1969年 4月-1981年11月(日本)日本電気株式会社,IC设计

1981年12月-1987年10月(アイルランド)NEC半導体アイルランド プロセス課長

1987年11月-1989年3月 (日本)NECメモリー事業部 製品技術部長

1989年 4月-1996年6月 (イギリス)NEC半導体イギリス 取締役、工場長

1996年 7月-1998年4月 (日本)NEC半導体事業部 事業部長

1997年 5月-2002年10月(中国)上海华虹NEC电子有限公司 副社長、工場長

2002年11月-2004年2月 (日本)NEC執行役員、NEC液晶技術株式会社 取締役

2004年 3月-2007年4月 (中国)上海广电NEC液晶显示器有限公司 副社長

2007年 4月-2007年9月 (日本)NEC液晶技術株式会社 特别顧問

2007年10月-2009年1月 (日本)平田机工株式会社 特别顧問 兼 副事業本部長

2009年 1月-2010年1月 (中国)上海华虹NEC电子有限公司 高級顧問

2010年 1月-2018年5月 (中国)上海华力微电子有限公司 建設専門 副社長

2016年 9月-2022年6月 (中国)上海和輝光电有限公司 社長顧問

参加者(敬称略)

太田、小川、原口、小森、和田木、国井、鈴木、三重野

1981年12月-1987年10月 NEC半導体アイルランド

NEC初の海外半導体工場であり、当時の皇太子(現在の上皇天皇)夫妻の訪問もあった。

1989年4月-1996年6月 NEC半導体UK 取締役、工場長

6、8インチ生産ラインの構築。

1997年-2002年 上海華虹NEC電子有限公司

中国大陸最初の8インチ全自動半導体生産ライン(909プロジェクト)

月産生産能力: 20千枚/月 、 0.35um, 0.25um, 0.18um, (90nm)技術

総投資額:1250億円

( 1000MUS$ )

資本金:875億円

(700MUS$)

IC Card Power Device

Logic, RF, HV Device

半導体生産のインフラ整備

(環境、電気、薬品、生産設備等)

ファンダリービジネス対応

(生産、設計対応の人材教育)

2002年-2007年 上海广电NEC液晶显示器有限公司

中国大陸最初の第5世代(1100x1300mm)液晶パネル生産ライン

月産生産能力: 45千枚/月 → 85千枚/月(+330億円)

総投資額:1146億円(955M$) → 1476億円、資本金:500億円(416.67M$)

従業員:2000名

2010年-2018年上海華力微電子有限公司(12英寸)

909昇級プロジェクト、第12次国家重点プロジェクト

工場建設とファンダリビジネス(プロジェクト戦略)

• 半導体先端工場全般にわたる自主設計と建設能力の確立

• 先端環境保全対策と徹底

• 安全建設の推進と徹底

建設関係者全員の安全教育と入場許可書、安全パトロール隊の巡回

• プロジェクト全般の建設細分化と公開入札の実施

• 建設指揮部による建設全体の詳細管理と安全確保

• 生産設備の機能標準化と公開入札による価格低減

総投資額:$2.2B USD、生産能力: 35千枚/月、技術: 55-28 nm、

従業員: 1600名、生産工場:面積 9.15万㎡、クリーンルーム:面積 14700 ㎡

清浄度:ウエハー処理と保管区域 クラス1、

クラス1000 C/R(ケミカルフィルターにより化学汚染物質除去)

クラス 100 露光区域(全区域ケミカルフィルターと除静電気設置)

クラス 1 ウエハー処理、保管区域(設備内部、FOUP内部)

クリーンルーム面積 及び動力、環境安全対応設備:能力 4万枚/月の能力構築を完了

华力微電子12インチ生産ラインの特徴

工場建設期間が最短:10ヶ月

最先端の環境保全対策 (廃水排気浄化処理の省資源、省エネルギー対策)

先進的動力設備と最先端クリーンルーム

完全自動搬送システム

全自動生産管理システムと先進的経営と生産支援システム

先端設備による先端プロセス対応と将来の技術展開

和輝光電(EDO) 二期厂房建设

Fab2 投資額:41.7億ドル、資本金:27.5億ドル

第6世代 有機ELディスプレー生産ライン 45K枚/月

国際入札について

公開国際入札

入札会社の決定(入札)

建設、技術、IT,装置の

インターネット入札

価格、技術、支払い、保証等の判断条件公開

入札会社による決定と異議受け付け

中国ビジネスの要諦

日本と中国(米国等)の基本的な差

日本:性善説を基本 日本の常識

中国(米国等日本以外):性悪説を基本 中国の常識

• 将来のトラブル(必ず発生)を避ける詳細契約の必要性

• 背景、文化、考え方の理解と整合

• この為の明確な結論と理由、目的の説明

• 状況(リソース、能力、力関係等)に応じた対応と学習

• 教育や考える習慣(叱り方と褒め方:プライド)

• 情報収集(市場、シェア、技術、能力)

• 礼儀と作法、5Sの徹底

管理者や経営者の要求される能力

1、コミュニケーション力とプロジェクト管理能力

2、権限移管による早い決断

3、粘り強い交渉力(妥協点とキーマンの見極め)

4、実務力(やって見せる、一緒に考えながら解決)

5、目標データの明確な計画設定とトレース、品質維持

市場(ユーザー)にあった戦略を立てる。

技術に対する過信は禁物。現場は何が起こるかわからない。

日本と中国、欧米の処世術(嘘をつく)の違い

欧米人:嘘を負担に感じていて、死ぬ間際に暴露(回顧録等)

キリスト教を基盤に確立された社会 外的な力(神)を借りて行動を律する

日頃から詳しい情報(悪い情報も)を報告:ツール、ルートの整備

日本人:嘘つきは泥棒の始まり、信じやすい(日本人らしい作法尊敬)

世間様(集団)という全能の神がいて、個人の行動を監視している

社長には悪い情報は上げない。現場不介入:突然ダメを社長に報告

中国人:墓の中まで持っていく(利益の為、衝突を恐れない)

儒教思想の自らを厳格に律して、深く修養し、立派な人になる自己修養の教えを基本

自らを律することが出来る人間であることを示す:自分の都合で物事を判断する

目に見えない物は??、 ケンタッキーvsマクドナルド 油品質

聞き取りによる補足

-NECアイルランドは、当時日米半導体摩擦下でヨーロッパにおける日本半導体への課税が検討されており、NECの交換機を出す条件で半導体後工程、テストをアイルランドに持っていった。FEOLについては、フランス政府がアイルランドに圧力をかけており、NECはスコットランドにFEOLを作るとした。

-NEC中国展開については、やはり日米半導体摩擦下で李鵬首相から関本社長に話があった。55歳でNECを退職した。その後、平田機工の上場を手伝った。一年後、上海市政府から、12インチライン構築(華力)の依頼を受けた。

-NECUKで、歩留まり問題。そこで、1ビット不良品をアジアで売った。本社は反対していたが、おかげで利益につながった。UKから帰国後、メモリーではないところに所属を換えてくれと要求しマイコン事業部長となった。imecのキーパーソンは、元NECアイルランド、スコットランドでの経験者が多い。

-中国技術移転においては、0.35um,0.25umまでは米国も認めた。0.18um、90nmは現地開発が進めば許可するとなった。

-中国工場の電源は周波数差10%と安定しない為、3系統使った。排水、排気基準は、日本以上に厳しい対策が必要であった。ファウンドリビジネス要員として、日本で現地人200名を教育した。

質疑応答(敬称略)

和田木:米中摩擦下において、華力はどうか? そして、有機ELは?

太田:先端製品には、いっていない。先端をやろうとすると、設備が必要だ。

また、有機ELは量産3万枚/月で流れている。中国のスマホ、時計に使われている。

鈴木:AMECエッチャー等、中国設備比率は?

太田:上がっていない。ドライエッチャーはメイン工程では使われていない。

三重野:日本の半導体製造はどう考える?

太田:補助金は最先端に向かっている。市場では一世代前がボリュームゾーン。立ち上がりに時間がかかるだろう。実践的にマネージメントできる能力があるのだろうか。

鈴木:SMEEのリソグラフィーは28nm量産実績ないようだ。

太田:国産品には、補助金が出る。評価代として貰える。量産に入れるかは別問題。

鈴木:規制のレベルが上がると、本気度が上がる?

太田:中国のメーカーが本当に困っているのかという問題。外から買えればいいという考え方。今出来ることに集中するという考え方だ。

鈴木:日本は?

太田:最近、半導体ファウンドリ工場を立ち上げた事があるのか? 半導体製造の側から、指示が出ていないのではないか? 建設会社にお任せは、コストも含めて将来的にも危ないと考える。聞くところによると、●●●●の●工場は、●●建設が全てを取り仕切っている。

小川:華力55nmは、imecから導入した。その先は?

太田:50nmを社内で作った。さらに40nmも。

小川:imecからの装置指定は?

太田:無し。50名のエンジニアが中心となって、社内で行った。

(文責 三重野)

以上

ありがとうございます。

三重野

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