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SEAMAJ第四回勉強会(転載禁止)

各位様

第四回リモート勉強会開催録

日時 2020年11月21日(土)午後2時30分より午後5時まで TEAMS

勉強会テーマ: 「ITと半導体」

ITの中核技術が半導体であることを歴史的観点から考察する。

講師: 津田建二様

-半導体産業の将来はITのメガトレンドがけん引

-IT・半導体が社会にまで拡大

-メガトレンドとは何か(定義)

-ITの3大要素はコンピュータ・通信・半導体

-半導体は成長産業、日本だけが止まっている

-半導体は分化の歴史

-日本の半導体は世界から見て特異点

-半導体も3D化やチップレットの考えで高集積化

-新型コロナでの新半導体需要

H様より、Security On ChipについてSkywater社についてのコメントがあり、ハードウエア上の対処が今後のビジネスに結び付くのでは。(Security On Chipについては、別途、ブレストを開催予定11月28日)。津田様コメントとして、台湾のEEメモリ社がVthのバラツキを利用してIDを作ることをやっているとのこと。

Ha様より、RDセンターの必要性と垂直統合について、トヨタでの経験からコメントがあった。また、自動運転について議論となり、完全自動運転の半導体覇者は? 小森様コメントで、「車の中で何をやるかが自動運転という製品のマーケットゴールであり、提供できる会社が覇者となるだろう。」目から鱗。

T様より、「チップレット」について誰が作った用語で規格はあるかについて。津田様が調べたところによると、部品埋め込み技術をFlipChip Internationalとフジクラが共同で開発していた事実がある。

https://news.thomasnet.com/fullstory/flipchip-international-and-fujikura-ltd-announce-chiplett-tm-chipsett-tm-ultra-thin-3d-packages-605579/

これによると、2011年時点で「ChipletT」には登録商標があるが、Chipletにはないようだ。DARPA、Intel、AMDともTMを被せずに言葉を使っている。また、FCIとフジクラはchipsetにもChipsetTとして商標登録している。

T様より、半導体市場の伸びがかつて20.7%で現在6.6%、これが高いか低いかの議論により半導体屋が他勢力に議論負けした経緯がある。今から見ると6.6%でい成長する既存産業は無い。何故議論負けしたのか? 市場はリニアで見るか(絶対値)、ログ(前年比)で見るか? 既にこれだけ大きな市場では伸び率も必要でしょうけど、絶対額が増えればそれで良いような気もします。でも伸び率が下がれば株は下がりますよね。「It’s the level, not growth rate!」と言った英国の方がいたと記憶。

T様より、製造トップではないインテルはまだ売上トップでいられるのでしょうか? いつインテルは誰にトップを取って代わられるか? もちろんtsmcではない。では誰? GAFA? 津田様のコメントは以下。インテルに代わる所はどこでしょうか?正直、見当が付きません。Nvidiaは、確かに可能性はありますが、演算リッチなGPUだけですので、Armを買った後のエコシステムの崩壊をこれから見ることになり、大きく成長するようにはみえません。また、DRAMメーカーがこのまま3社だけで進むなら、2017~2018年の疑似カルテル的なメモリバブルがそのうち再燃します。サムスンがトップになります。しかしSK Hynixがサムスン憎しを増幅させればさせるほどハイニックスももっと大きくなってきます。GAFAといっても今、LSI設計ができるのは、アップルとグーグルだけですので、GAFA全部が半導体ランキングに入るとは想像できません。ただし、アップルがトップテンに入ってくることは時間の問題です。グーグルの本質はサービス業、アップルは製造業です。グーグルはサービスだけではうまくいかない所に半導体を、アップルは製品をもっと持続的に使ってもらうためにサービス(アプリ)を、それぞれ使っています。アップルが自主開発している半導体は、CPUだけではなくGPU、パワーマネジメント、アナログなどで、かなり半導体の知識を持っています。限界もよく知っています。

もう1社可能性があるのはマイクロソフトです。彼らもサービスよりは製造業(ソフトウエアの製造)ですので、ソフトの性能を各段に上げようとすれば必ず半導体にやってきますので、マイクロソフトが半導体ランキングに入ってくる可能性はあります。

ただ、FacebookやAmazonはサービスが本業なので、チップを作ってはいますが、半導体にはそれほど力を入れていません。

勉強会以後に寄せられた意見、提案は以下2件です。

-「持続可能な半導体ビジネスをどのように構築するか」についてですが、今回の津田様の講演やその後の質疑応答の中で、今Topに立っているIntel、nVIDIA、でさえもトップで居続けることは難しいとの話もありました。国内で、持続可能なビジネスを考えた時に、誰でもが作れる製品を安く作る技術(又は高く売れる市場)を持って製造することを選択するのか、他社にまねのできない技術や特許等を持って製造するのかのどちらかに分かれると考えます。

国内の市場を小さいとみると、海外へ広く販売を考慮した場合、安く作る又は高く売ることについては、大きな制約が生まれる為に、結果、他社・他国にまねのできないビジネスを行うことになると考えました。本日の講演の中で、分業化が進みそれぞれの役割をより細分化されていく傾向があり、このまま更に細分化が進めば、突出した差別化できるものが無ければならないとかんがえました。

デザイン思考やデザイン経営と言われる考え方では、「すべての製造業はサービス業になる」と言われている方もおられますが、サービスの差別化ではなく、技術的な差別化を何か出せないかを考えたいと思っています。将来に渡り永続的に求められる、「幸せ、安心、安全」において、差別化できるデバイスが作れるのであれば、事業化が可能となると考えてみました。

幸せ=自分専用=>個人への最適化、 安心=便利・快適=>機能チップの複合体により形成、 安全=セキュリティとなり、まとめると、自分専用にカスタマイズされたデバイス(パッケージ)が複数の選定したチップで構成され、それらを製品(パッケージ)にする過程において、セキュリティを補償するシステムを組み込むことができる(差別化できる)技術があるとよいのではないでしょうか。

津田様に質問した半導体業界の分業化についてですが、OSATやファウンドリに、3DICサービスやWLPサービスが追加されたものが資料の中で書かれていましたが、OSATも今後従来のOSATとしての機能では立ち行かなくなり、他の機能を統合する方向に進むのではないかと考えています。TSMCが後工程を集約しているように、様々なチップを集めて・選択・検証しそれらを使って製品(パッケージ、しかもその後の機器への組込を考慮した標準的な形)に仕上げるビジネスが出てくるのではと考えたのですが、いかがでしょうか?

-一番参考になったのが、TIに関するお話です。本日津田さまが示された資料の中の、半導体の栄枯盛衰の表の中で、いつも変わらず5位程度に位置していたのがTIです。TIがそのような安定した位置を継続することができた理由について、非常にわかりやすくお話て頂いたこと、大変ためになりました。特に、「社員のやる気を引き出すのがマネージャーの仕事」の部分、決して同じ会社で継続して働くことが幸せではないいい例と思いました。

卑近には、私自身がマネージャーとして、周りの人々のやる気をそいでいないだろうかとも考えてしまいました。その他、ちょっと引っかかったのが、全世界では半導体市場が伸びているが、日本だけが伸びておらず、これが日本の半導体メーカーのトップの責任であるとおっしゃっていた点。1995年頃から現時点に至るまで、日本のGDPはほとんど横ばい状態です。この間、世界のGDPは順調に伸びています。

そう考えると日本の半導体市場は、日本のGDPとほとんど同じ動きをしていたと言え、したがって、半導体メーカーのトップが優秀であったとは決して言えませんが、「標準的な日本のメーカー並みのことはやってきた」とも言えるように思えます。

(すべてとは言えませんが、一部の)半導体装置メーカーは、ある程度伸びることができたのは、その市場が国内だけでなく、海外の比率の方が高かったため、その売り上げも、世界のGDPの伸びに沿う形で伸びてこられたのではないかと思います。

こう考えると、国内の半導体市場が伸びなかった理由は、

1.国内総生産が伸びなかった

2.海外市場を抑えることができなかった

と言えるように思えます。

ありがとうございます。

三重野

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