SEAMAJ第50回研究会 TEAMS 開催禄
2024年7月20日(土)午後3時半より (ベルギー時間午前8時30分、上海時間午後2時30分) 開場午後3時
講師 ; 和田木様 日本モルガン・スタンレーMUFG 証券
講演タイトル ; 「半導体製造装置の明るい未来」
(ついでに、各国投資競争の行く末は?)
参加者(敬称略)
辻村、濱田、新井、鈴木(健)、和田木、林、小林、国井、原口、鈴木(寿)、水島、堀口、三重野
Market Trends Summary
-TSMC
4月24日、A16を2026年後半に生産開始と発表。High-NAは使用する必要がない、とコメント。使用はA10からか。 装置の発注は前倒しで開始
-中国
4月25日付でReutersが中国がHBMの製造ラインを2ライン建設と報道
5月14日、米国政府、中国の半導体に対する関税を25%から50%に引き上げ。
7月、米国政府がTELやASMLにFDPRの適用を示唆
中国は国内で消費できるので、影響は無いのではないか。
-メモリ
SK hynixが4月24日にDRAMの大型投資発表、そして5年で10兆円の投資を発表
フラッシュメモリ市場、突如、供給不足に
SKはフラッシュメモリの製造ラインが一部DRAMに。YMTCがビジネス替えでDRAMか。DRAMはますます供給不足に
-Intel
イスラエル工場、建設中止
発注していた装置はよくて発注凍結、キャンセルの打診も
Laser TechのCFOが突如交代 連絡取れずで、粉飾決算問題か???
-後工程
Rapidus が4月2日に記者会見。OSAT business開始を目指す。先進的な投資をする予定。
Rapidusはガラス基板、ベアダイ試験を採用
5月7日、Intelと日本企業14社が半導体後工程の自動化で提携を発表
ウシオ電機、AMATと共同でパッケージ向けパターニング装置を投入
-半導体/製造装置市場は真っ二つに割れている
スマホ、PCなどのボリュームゾーンの回復は鈍い
TSMCはEUVLの導入レイヤ数を削減。High-NAの採用にも後ろ向きな発言
2023年のWFE市場は大調整との年初の予測から一転、過去ピーク更新
攪乱要因が2つあった。中国と、生成AI
中国は先行き不透明だが、生成AI関連市場はさらなる熱気に包まれる
-生成AI関連市場にはマグマが蓄積されている
GPT-4oは、ほぼ人間並みの会話能力を備える。表情、声色も読み取って対応
天才集団OpenAIには、次のビジョンが見えている
スターゲイト計画始動。MSとOpenAIは今後4年で1,000億ドルをAIサーバーに投資、Googleも対抗を表明
-半導体市場は爆発の時を間近に控えている
AIサーバーは、大量のGPU、AI用ASICを必要とする
NVIDIAは今後4年間、毎年新型のGPUを投入すると表明
GPUとAI用ASICはHBMと先端パッケージを必要とする
TSMCはCoWoSへの大型投資を立て続けに発表
SK hynixはHBM4eの量産を2026年へ1年前倒し 新DRAM工場を3ヶ建てる。
離陸するパッケージ用ガラス基板
-我々は、GPUなどの高周波プロセッサ向けに、ガラス基板が今後2年程度で採用される可能性があると考える
-ガラス基板の特長は、電力損失の抑制、大型化に適する、狭ピッチ化が可能、高温動作に有利な点など。課題は脆性が高いこと
-AbsolicsはChips法の補助金を受給、RapidusもPLPでガラス基板のライン構築を宣言
-製造プロセスはまだ固まっていないが、高脆性材料の取り扱いのために組立工程が自動化する可能性が高くディスコなどに恩恵
-ガラス基板の採用は当初は高速・高付加価値なデバイスに限定。有機コア基板関連材料の需要も引き続き拡大しよう
-PLP用装置:パターニング装置や成膜装置はウシオ電機、SCREENホールディングス、アルバックなどが積極的に開発。PLP用の組立用装置はディスコが取り扱う
-ガラス向け加工装置:
シード膜の形成工程及び金属膜形成工程で、アルバック、荏原製作所(not covered)、Applied Materials(担当アナリスト:Joseph Moore)、Lam Research(担当アナリスト:Joseph Moore)
露光・現像工程で、Applied Materials、東京エレクトロン、凸版印刷(not covered)、SCREENホールディングス、ウシオ電機
穴あけ加工で、ビアメカニクス(未上場)、CMPは荏原製作所、Applied Materials、東京精密
-ガラスコア基板:大日本印刷(not covered)、AGC(not covered)
今後4年程度で、光電融合においてのパッケージ用ガラス基板も可能性があるだろう。
シリコンブリッジ Intel+イビデンは、止まっているように見える。
AMDは、Intelに対して3年先行しており3.5Dもやっている。
スマホの持続的性能進化と買い替えを促すAI搭載
-半導体の微細化及び市場の成長ドライバとして、スマホまたは家庭用ネット端末に積載され、今後大きな進化を遂げることが確実なAIに期待
-GAFAのいずれもAI搭載端末を使用した業容拡大を成長戦略の一つに据え、技術開発、業務提携、関連企業の取り込みなどを進めている
-スマホ用プロセッサへのAI内蔵とAI機能の高度化でスマホも高付加価値化
AIスマホは伸びてきている。パソコンも伸びると期待される。感情解析やモバイルヘルスケア等。
グーグル、サムソン、アップル等やると言っている。AIチップ面積が増え、メモリとのハイブリッドとなろう。テスト等の装置にとって+材料である。AI端末の高機能化、クッキー対策等。
政治の介入によるIntel復活の可能性
Intelの復活は? Intel4,3は試作レベルである。Meteor LakeはほぼTSMC製造であり、ファウンドリを一度使ってしまうと、後戻りは難しくなる。IntelファウンドリはOSATのみであり、前工程は作るものがない。米国は、高性能品を作る現場が無くなってきている。
しかし、IBM, Intelのアイディア力は使える。
-Intelが向き合う課題
IntelはIntel4の量産開始をアナウンスしたが、、、
IntelのMeteor Lakeのうち70%がTSMC製、Lunar Lakeは100%がTSMC製
Intelファウンドリの前工程の生産実績は?
-米国は、半導体での技術主導権奪還を最優先課題に掲げる
半導体は2-3年毎の技術革新があり、工場毎にカスタマイズが必要
-過去事例と評価
米国への製造移転要求、企業体力消耗、ノウハウの吸収 → 製造移転は成功。企業体力も消耗。しかし、ノウハウの吸収は困難
工場買収 → ドミニオン、Twinstarの二の舞。3年後に工場は陳腐化
パテント活用 → 90年代~ MPUで覇権を確立 → JAVA、ARM、RISC-Vの台頭でMPU・OSによる電子機器支配は終焉
技術情報取得 → 製造に展開できない
-米国半導体業メーカーの技術力、アイデア力はアジア企業を凌駕
→ 米国企業の技術、構想の受け皿となる同盟国企業に製造を委託し、ロイヤリティーを受け取る
→ Rapidusと協業
現在の先進国は、借手がいない状況が続いている。日本はしかも超低金利になっている。投機機会が少ないのだ。従って、政府が主導して、TSMCなど半導体投資を行っている。
TSMCは、アリゾナではブラック企業呼ばわりされている。日本は組しやすいようで、関連サプライヤ30社も現地に連れてくる。
OSAT業界におけるRapidus
-2nm以降の先端半導体の製造を目的に設立されたRapidus (not covered)だが、前工程だけではなく、後工程も手掛ける
-Rapidusが掲げるRUMSというビジネスコンセプトは、半導体製造における、設計・前工程・OSAT(パッケージング)の間の壁を取り払って一体化して運営するというものであり、同社は、チップレットのような先端パッケージの設計・製造にも取り組む
-会社によると、工場の建設は順調に進捗しており、2024年12月に工場が完成、2025年4月から試作ラインを稼働させる予定で、 前工程の装置については、稼働までに少量導入される
-前工程よりも技術難度が低い後工程については、先行して量産ラインを建設して、OSATとして事業を開始することも可能である。その場合、日本の後工程装置メーカーへのインプリケーションとしては、2025年3月までに、アドバンテスト、ディスコなどに大量の装置の発注がなされ、日本の後工程装置メーカーの業績を後押しすることとなろう
設備売り上げ比率であるから、ASMLの伸びは大きい。日本は円安もあって、3位になった。GAA用設備ALD, Epi, エッチ、検査は安定して伸びるだろう。
米国を凌駕する中国のAI技術
-「中国はディープラーニング能力の重要な利用方法で米国を追い越しつつある」(エコノミスト誌、2017年)
-「社会インフラ関連を含むAI投資では中国が米国を大きく上回っている」と米国国防省が警鐘
-AIの特許出願数、論文数で、中国はすでに米国を凌駕
-米国のモバイルウォレットは25年に1兆ドル超えへ
-しかし、中国は13年に達成。米国は12年遅れ
-世界のクレジットカードの利用額は23年に45兆ドルへ
-一方で、20年のアリペイとウィーチャットペイのモバイル決済金額は約55兆ドル
-アリペイはピーク時には毎秒45万9000件の取引を処理。AI生体認証技術によって不正率は0.0006ベーシスポイント
強まる対中半導体規制
-SMICは7nmに到達。2年後には???中国が米国の半導体技術力を凌駕する可能性
-日米政府は非先端半導体の脱中国依存を共同で推進する方針を、首脳会談で確認。中国の経済的威圧に対抗するのが目的
-自国での非先端半導体製造能力の拡充に加えて、自国製半導体の優先的な使用を促進する必要がある
-我々は、非先端半導体の中国への依存度を下げ、自国内で代替生産するためには、前工程で30兆円、後工程で6兆円の設備投資が必要と試算
-オランダ政府が米国政府が要求するASMLの中国での装置へのサービス停止を受け入れたとの報道。「米国製の部品を使用したサービスはできない」
-事実であれば、ArF液浸露光装置を内製できない中国での65nm以降の半導体の生産、先端半導体の開発が困難になる
-一部の半導体の製造が困難になることで、露光装置以外の半導体製造装置需要に悪影響が出る可能性がある
-今後、他の半導体製造装置や企業に規制対象が拡大しないか注視
質疑応答(敬称略)
辻村:2010年にPLPを考えていた。ウエーハ5インチを貼り付けたらと当時提案していた。研磨、メッキ装置等を作った。当時はニーズとマッチしなかったが。
鈴木(寿):KEのバッチALDはどうなのだろうか?
和田木:GAAでのニーズ。開発当初は枚葉式だろうが、量産段階ではバッチが必要となろう。フラッシュでニーズ高い。KEは、2008-2018年頃はマーケッティング力、技術力が高かった。KKR買収以降は、特許出願が減ってきている。AMATに遠慮?しているようだ。今でもAMATは20%程度の株を持っている。
新井:景気動向は?
和田木:米国、生成AIで成長していくのかどうか。8-9割のベンチャーは淘汰されるだろう。この4年間に何か登場するのではという期待感はある。
新井:SOX指数を見ると、調整が入るのではないか?
和田木:電子部品は、中長期的には心配ないだろう。
新井:民主党はハイテク、共和党は石油などで、大統領選の影響は?
和田木:対中国で、共和党は本気でかかるのではないだろうか。
新井:日本に恩恵があるといいが。トランプになると、台湾防衛費やTSMCに影響でそうだ。
和田木:米の製造業の国内回帰は、米以外の国は良く思っていない。
新井:レーザーテックIRレポートに、和田木さんの質問が出ていた。CR写真を公開していたが、存在しないのでは???
辻村:装置の売り上げ比率において、日本が落ちている。酷いですね!!何が問題なのでしょう。
和田木:中国の分が影響しているわけでもない。欧米企業の努力だと思う。IMECを中心にして、ベスト20に入ってきている。日本にはIMECが無い。円安もある。
林:サンフランシスコで無人タクシーを使った。数百台走ってる。問題無く、表示地図が正確だった。現地情報の取り込みが為されている。規制緩和を含めた米国の取り組みは凄い。半導体の処理能力も。
和田木:日本と次元が異なる。
以上
(文責 三重野)
ありがとうございます。
三重野
